「急にお腹が痛くなって下痢、嘔吐した。」
このような症状で受診される方は多くいらっしゃいます。
腹痛、下痢、嘔吐などの症状が急に現れる疾患として最も多いのは、「感染性胃腸炎」です。
感染性胃腸炎には、大きく分けて「ウイルス性胃腸炎」と「細菌性胃腸炎」があります。
ウイルス性胃腸炎は、ノロウイルスに代表されるように、どちらかというと冬場に多くみられます。一方、細菌性胃腸炎は、夏場に多い傾向があります。
ウイルス性胃腸炎について
感染性胃腸炎のほとんどは、ウイルス性胃腸炎です。中でも多いのは、「ノロウイルス」です。
生牡蠣を食べて、1-2日後に嘔吐、下痢、腹痛などの症状がみられれば、ノロウイルス感染症を疑います。特徴としては、感染力が極めて強く、ヒトからヒトに感染が拡がり、集団感染することも多々あります。
頻回の下痢、嘔吐があれば、脱水になりますので、こまめに水分をとるようにしましょう。水分の摂取も難しいようであれば、医療機関を受診して点滴の相談をおすすめします。
細菌性胃腸炎について
先ほど述べた通り、感染性胃腸炎のほとんどはウイルスによるものですが、細菌による胃腸炎もあります。多いのは、「カンピロバクター」です。
鶏肉を食べて、2-7日後に突然腹痛、下痢、嘔吐がみられれば、カンピロバクターによる細菌性胃腸炎を疑います。
細菌性胃腸炎では、高熱や血便がみられることがあります。
細菌性胃腸炎には、抗生物質による治療が必要なこともあります。
上記のような症状がある場合には、早めに医療機関を受診するようにしてください。