
先日、タケキャブ発売10周年記念「TAKECAB GI Channel Web Seminar」を受講しました。
逆流性食道炎の治療をどのように行っていくか(初期治療、維持治療について)、タケキャブ長期内服維持療法は安全か、などについてでした。
・2019年逆流性食道炎の罹患者数は7億8395万人で、1990年から77%も増加しています。
また、アジア人に多いという特徴もあります。
・タケキャブを1ヶ月服用することで、76%の方は症状が消失し、6ヶ月では88%に上昇したという報告があります。
このデータから、3-6ヶ月間は服用を継続した方が良いと考えられています。
・逆流性食道炎の誘発因子は何か?
激しい肉体運動や、脂肪摂取の増加、過食、肥満、円背、ストレス、下部食道の括約筋の圧力を低下させる薬剤
これらは、以下のように分けられます。
①一過性に終わる可能性のあるもの
- ストレス
- 疲労
- 激しい運動
②長期的に改善できうるが短期的改善は困難
- 肥満
- 高脂肪食
- 早食い
- アルコール
③長期的にも改善しがたい
- 胃酸分泌過多
- 胃運動不全
- 下部食道の括約筋の圧力低下
- 食道裂孔ヘルニア
- 円背
食道扁平上皮癌は逆流性食道炎、ヘルニアと関連
・2021年に発表された論文では、アルコールや喫煙などのリスクがない症例を検討した結果、逆流性食道炎、レルニアの存在が食道扁平上皮癌のリスクになったとされています。
・逆流性食道炎の炎症に一致して扁平上皮癌を認めた
・ヘルニアの方では食道炎症のコントロールは食道腺癌だけでなく食道扁平上皮癌を抑制する可能性がある
逆流性食道炎治療薬としてタケキャブの長期維持療法は安全か?
・タケキャブによる短期投与の安全性は高いが、長期投与に際しては注意深い観察が必要である
・現時点でタケキャブの長期維持療法によるリスクの多くはPPIのそれと同様と考えられている。
PPI長期投与のリスクについては、こちらをご参照ください。
