潰瘍性大腸炎(UC:ulcerative Colitis)の方で、飲まないほうが良い薬はほとんどありませんが、いくつか注意すべき薬はあります。
①痛み止め
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)
主な処方薬の商品名:
ロキソニン、バファリン、ボルタレン、ナイキサン、セレコックス、ブルフェン、ポンタール
主な市販薬の商品名:
ロキソニン、バファリン、イブ、ノーシン
このような薬は、頭痛や生理痛の時などに頓服的に短期間使用する分には通常は問題ありません。
慢性腰痛などで毎日ロキソニンを飲むといった場合にはUCの症状が悪化する可能性がありますので、注意が必要です。
②抗生物質
抗生物質(抗菌薬)は、UCでない方でも下痢をきたすことがありますが、UCの方では下痢をきたしやすいと言われています。
抜歯後や細菌感染をきたして抗生物質の服用が必要な場合には、整腸剤(ミヤBMやビオスリーなど)を一緒に服用するようにしてください。
③下痢止め
UCの方は、下痢止めを飲まない方が良いとされています。
下痢止めとして処方されるロペミンの添付文書には、UCの方では中毒性巨大結腸を起こすおそれがあるので原則禁忌となっています。
UCにおける下痢症状は、炎症に伴い生じているため、炎症をコントロールすることでおさまるため、下痢止めの使用はおすすめしません。
ただ、UCの治療薬で炎症は落ち着いているのに、しばしば下痢が出現する(過敏性腸症候群を疑う症状が出現する)場合や外出先でのトイレが心配な場合などに薬を服用することは問題ないと考えます。
そのような症状の方には、下痢型の過敏性腸症候群の方に使用されるイリボーの服用が有効な場合があります。
潰瘍性大腸炎についての記事はこちらから
過敏性腸症候群についての記事はこちらから