潰瘍性大腸炎(UC)の方の多くは、活動期と寛解期を繰り返します。
活動期:炎症が起きて症状が強く現れる時期
寛解期:症状が治まっている時期
再燃:寛解期から再び活動期になること
UCの患者さんから、
「食事はどのようなものに気を付けたら良いですか?」
「どういったものを食べたら良いですか、また食べないほうが良いものはありますか?」
と聞かれることがよくあります。
このような質問をされたときは、「徹底した食事制限をする必要はありません」とお答えしています。
というのもUCでは食事療法の意義は少ないと考えられているからです。
炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020 改訂第2版には、食事療法について以下のように記載されています。
「UCに対する栄養療法単独での寛解導入効果は明らかではなく、薬物療法や血球成分除去療法を主体とすべきであり、安易に食事制限を強いるべきではない」
「UC急性期には、腸管安静による栄養管理は必要であるが、寛解導入目的で栄養療法を用いることは適切ではない。寛解期についても、食事療法の有効性に関するエビデンスは存在しない。多くの患者は寛解期にあっても自主的に食事制限を行い、乳製品などを回避する傾向がみられる。しかしながら、その再燃予防効果は明らかではなく、逆にカルシウムなどの欠乏が指摘されている。特に寛解期においては安易に不必要な食事制限を行って、栄養維持を妨げたり、QOLを損なったりすべきでない」
また、お酒について聞かれることも時にあります。
お酒がUCの病状に影響を与えるという報告は特にありません。なので、どうしても飲みたい方は飲んでもよいと考えます。ただ、飲酒すると下痢をしやすくなることはあります。