バリウム検査と胃カメラ検査について

「会社の健診でバリウム検査を毎年受けているのですが、胃カメラ検査とどちらが良いのでしょうか?」

「バリウムは、体の向きを変えたり、検査の後も便秘になって大変でした。でも、胃カメラも苦しいですよね?」


このような質問を時々受けることがあります。胃カメラのほうが辛くて苦しいイメージをもたれていて、毎年バリウム検査を健診で受けている方もいらっしゃるようです。

上記のような質問に対しては以下のようにお答えしています。

バリウム検査よりも胃カメラ検査をお勧めします

「苦痛を軽減するように、口からではなく鼻からのカメラもあります。また、ご希望に応じて鎮静剤と呼ばれる注射を行うことで楽に受けることができます」とお伝えしています。

バリウムよりも胃カメラをお勧めする理由としては、以下のものが挙げられます。

①バリウム検査は、体の外側からレントゲン撮影をするので、平坦な病変や色の違いは認識できませんが、胃カメラ検査では、直接胃の粘膜の状態を確認できますので、わずかな隆起や凹み、色の変化を認識することができます。そのため、胃がんの早期発見には、胃カメラが断然優れています。

②胃カメラを行った際に、気になる箇所があれば、その部位の粘膜の一部を採取し、顕微鏡の検査を行うことができるので、診断を確定することが可能です。

③バリウム検査では、咽頭、食道、十二指腸の観察は詳しくできませんが、胃カメラ検査では、胃以外の部位についても詳細に観察することができます。そのため、早期の食道がん等の発見も可能です。

④バリウム検査で慢性胃炎やポリープが指摘された際には、胃カメラ検査での精密検査が必要になります。以前バリウム検査で病変を指摘されたことがある方は、バリウム検査でまたひっかかりますので、直接胃カメラ検査での経過観察をおすすめします。

では、なぜこれまでバリウム検査が胃カメラ検査よりも胃がん検診において優先されてきたかというと、病院でなくても検診車で検査できる手軽さ、安い費用、医師でなくても放射線技師が検査可能、といった理由が挙げられます。

しかし、胃がんの早期発見のためには、精度の高い胃カメラ検査をおすすめします。

市川市では、2020年4月1日〜2021年3月31日の間に、お誕生日を迎えた時の年齢で、50歳以上偶数年齢の方が対象となり、申込制です。胃の病気で通院中・治療中の方、血液をサラサラにする薬を服用中の方など、胃がん検診胃内視鏡検査には何点か注意事項があります。

詳しくは、こちらの案内をご覧ください。

当院は、市川市の胃がん検診胃内視鏡(胃カメラ)検査の指定医療機関となっております。

検査をご希望の方は、お電話にて予約できますので、お気軽にご連絡下さい。

Author: ひろ消化器内科クリニック