ピロリ菌の検査には、胃カメラ(内視鏡)を使う方法と、胃カメラを使わない方法があります。
胃カメラを使う方法
①迅速ウレアーゼ試験、②鏡検法、③培養法
これらの方法では、内視鏡により採取した胃の粘膜を用いて検査を行います。
①迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌が持っているウレアーゼという酵素の働きを利用して、ピロリ菌がいるかどうかを調べる方法です。
試薬内に、尿素とph指示薬が含まれており、ウレアーゼが尿素を分解して生成されたアンモニアにより、phを上昇させるため、指示薬の色の変化が起こります。
そのため、ピロリ菌がいる検体であれば色の変化が起こり、ピロリ菌のいない検体であれば色の変化がおこりません。
②鏡検法
胃カメラの際に採取した胃の粘膜に、染色を行い、顕微鏡でピロリ菌がいるかどうかを調べる方法です。
③培養法
採取した胃の粘膜をすりつぶして、5〜7日程度培養し、ピロリ菌がいるかどうかを調べる方法です。
胃カメラを使わない方法
④抗体検査、⑤尿素呼気試験、⑥便中抗原測定
④抗体検査
血液や尿を採取して、ピロリ菌に対する抗体の有無を調べる検査です。
⑤尿素呼気試験
この検査法も、ピロリ菌の持つウレアーゼという酵素の働きを利用した方法です。
ウレアーゼにより、胃の中の尿素を分解して、アンモニアと二酸化炭素を生成します。尿素の分解により、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。
この試験法は、この原理を利用して、検査薬(13C-尿素)を患者さんに服用して頂きます。
ピロリ菌に感染している場合では、尿素が分解されるため呼気に13CO2が多く検出されることになります。
一方ピロリ菌に感染していない場合では、尿素が分解されないため13CO2の呼気排泄はほとんど起こりません。
検査薬ユービットの製造元、大塚製薬のホームページから引用してきたものです。
⑥便中抗原測定
便を採取して、ピロリ菌抗原があるかどうかを調べる検査です。
当院では、①迅速ウレアーゼ試験、②鏡検法、④抗体検査(血中のみ)、⑤尿素呼気試験を行っています。
それぞれ検査法に特徴があり、また判定結果に注意が必要な場合(偽陽性、偽陰性)があります。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。