胃ポリープについて

胃ポリープとは、胃の粘膜にできる隆起、簡単に言えば、「胃の中のできもの」のことです。胃ポリープは大きく分けて、①胃底腺ポリープ②過形成性ポリープ③腺腫性ポリープの3つに分類されます。

①胃底腺ポリープ

ピロリ菌のいない、きれいな胃にできるポリープです。悪くなることはまずないため放置してよいとされています。比較的女性に多くみられます。

②過形成性ポリープ

ピロリ菌が陽性の、萎縮性胃炎の方にできる、赤いポリープです。このポリープは大きくなって出血をきたし、貧血の原因になったり、がん化することがあります。一方で、ピロリ菌を除菌することで、ポリープが縮小したり消失することがあります。そのため、まずはピロリ菌の除菌治療が行われます。出血をきたしたり、大きくなってがん化が疑われる場合には、内視鏡で切除します。

③腺腫性ポリープ

白っぽい色の、平坦な隆起が特徴のポリープです。「胃腺腫」と呼ばれています。がん化するリスクが高く、胃癌の前がん病変と考えられています。ピロリ菌が陽性の、胃炎の程度が強い方に認められます。厳重な経過観察や内視鏡的切除が必要です。切除前には胃腺腫の診断であっても、切除後に癌と診断されることもあります。

以上のように、「胃ポリープ」と言っても、いくつかの種類があります。検診のバリウム検査で指摘されるポリープは、①の胃底腺ポリープであることが多いですが、今までに胃カメラ検査を受けたことがない方や、前回の胃カメラ検査から長期間経過している方は、胃カメラを受けることをおすすめします。

Author: ひろ消化器内科クリニック