大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部がイボのように盛り上がってできたものです。簡単に言えば、「大腸の管の中にできたできもの」のことです。
大腸ポリープは、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープに分けられます。大まかに以下のように分類されます。
腫瘍性ポリープ:①腺腫
非腫瘍性ポリープ:②過形成性ポリープ、③炎症性ポリープ
①腺腫
大腸ポリープの中で、最も生じる頻度が高く、大腸がんになる可能性があるポリープです。そのため、大腸がんの前がん病変と考えられています。ポリープが大きくなるにつれて、「腺腫」の部分が無くなっていき、「がん」に置き換わると考えられています。
ですので、大腸カメラ(大腸内視鏡)検査で、腺腫を認めた場合には切除する必要があります。目安として、5mmを超えるポリープはがん化している可能性があるので、切除します。腺腫や、早期大腸がんの一部は内視鏡で治療できます。
②過形成性ポリープ
一般に5mm以下の小さな、ひらべったいポリープです。白色であることが多く、直腸やS状結腸に多くみられます。加齢による変化が原因と考えられています。大腸がんになることはまずありませんので、治療は必要ありません。
③炎症性ポリープ
大腸に起きた炎症が原因で生じるポリープです。潰瘍性大腸炎やクローン病などの大腸に慢性的な炎症を起こす疾患に付随して発生するポリープです。大腸がんになることはまずありませんので、治療は必要ありません。
大腸ポリープを内視鏡で切除した方は、通常1年後に大腸カメラ(大腸内視鏡)検査で経過観察することをお勧めします。大腸ポリープが生じる原因として、食の欧米化等が挙げられますが、一番大きな要因は体質的な部分(ポリープができやすい体質)であると考えられているからです。