肺炎の原因となる菌の中で最も頻度が高いのが肺炎球菌です。
肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎の発症を予防し、重症化を防ぐことが期待できます。
65歳以上の方や、心臓や肺、肝臓、腎臓に慢性的な疾患のある方、糖尿病の方などは、重症化のリスクがあり、接種がすすめられています。
日本では65歳以上の方に使用できるワクチンは、「ニューモバックス」と「プレベナー」の2種類があり、それぞれ特徴があります。
2つの肺炎球菌ワクチンを併用することで、より高い肺炎予防効果が得られます。
それぞれの特徴についてみていきます。
<ニューモバックス>
・23種類の肺炎球菌の血清型に対応
・肺炎を起こしやすい肺炎球菌の約80%をカバーする
・1回の接種で5年間有効
・5年ごとの接種を推奨
・65歳以上の方は、1回のみ公費助成あり(市川市は自己負担2500円)
<プレベナー>
・13種類の肺炎球菌の血清型に対応
・肺炎を起こしやすい肺炎球菌の約60〜70%をカバーする
・長期間有効
・一生に1回のみの接種
・公費助成なし (1回のみ任意接種)
最後に
新型コロナウイルス感染症に対して、肺炎球菌ワクチンは、直接の予防効果はないとされています。
ただ、新型コロナウイルスに限らず、ウイルス性肺炎では、細菌性肺炎を併発することがあります。
そして、ウイルス感染後に細菌性肺炎(原因としては肺炎球菌が最多)をきたすと、重症化しやすいことが知られています。
そのため、上述したように、65歳以上の方や、心臓や肺、肝臓、腎臓に慢性的な疾患のある方、糖尿病の方などは、新型コロナウイルス感染後の細菌性肺炎を予防するという意味でも、肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめします。