粘膜下腫瘍

胃カメラや大腸カメラ検査で、「粘膜下腫瘍」と言われたことはありますか?

粘膜下腫瘍とは、文字通り粘膜の下にできる腫瘍です。

ポリープやがんは粘膜から発生しますが、粘膜下腫瘍は、粘膜の下(粘膜下層、粘膜筋板、筋層)から発生します。

そのため、正常な粘膜におおわれているので、内視鏡で見ると、腫瘍部分は盛り上がっているように見えます。

粘膜下腫瘍には、良性のものもあれば、悪性のものもあります。食道、胃、大腸、すべての消化管に発生しますが、その中でも、胃にできることが最も多く、60〜70%を占めています。

胃カメラをされた方の約3%に粘膜下腫瘍がみられるという報告もあるように、珍しい疾患ではありません。

症状はないことがほとんどで、検診の胃カメラやバリウム検査で偶然発見されることが多いです。

腫瘍が大きくなり、潰瘍を形成すると、出血や腹痛などの症状が出ることがあります。

胃カメラで、粘膜下腫瘍を認めれば、超音波内視鏡検査やCT検査でさらに詳しく調べることもあります。

粘膜下腫瘍の治療方針は、腫瘍の大きさにより、ガイドラインで以下のように決まっています。

①2cm未満の腫瘍の場合自覚症状がなく、検査で悪性を疑うような所見がなければ、半年〜1年に1回胃カメラで定期的な観察を行います。

②2〜5cmの腫瘍の場合、急に大きくなった腫瘍の場合超音波内視鏡検査やCT検査などで、腫瘍の状態を詳しく調べます。その上で、手術が必要かどうか判断します。

③5.1cm以上の腫瘍の場合、自覚症状がある場合腫瘍の大きさが5.1cm以上、あるいは症状がある場合は手術を行います。

粘膜下腫瘍の原因はまだ分かっていないため、予防するのは難しいです。また大きくならないと症状が出ないことが多いため、発見するには胃カメラやバリウム検査を受けることが大切です。

もし検査で粘膜下腫瘍が発見されれば、定期的な胃カメラ検査による観察が重要です。

Author: ひろ消化器内科クリニック